2009年11月13日

資格手当

会社というのは、上に行くほど無駄が多いのかもしれません。
社内でたまに、役員用と思しき高級車が止まっているのを見かけることがありますが、運転手が暇そうにボーっとしています。クルマがアイドリング状態のこともあります。
(ちなみに、むやみなアイドリングは県条例違反です)

役員が従業員を集めては「会社の危機だ」とスピーチし、従業員は血眼になって経費節減に努めているというのに、これでは説得力がなくなってしまうような気がします。




法律を預かる立場上、環境や安全衛生に関する公的資格関係の問い合わせを受けることもあります。
人事部門から、資格の内容について照会を受けることもあります。

労組でもちょうど、資格手当の話題が出ていて、関係の社内規則を見ながら、職場の同僚といろいろ議論をしていたのですが、考えれば考えるほど、よくわからなくなってきました。
規則の考え方もよくわからないですし、かつて人事に問い合わせたこともありますが、まともな答えが返ってきたことがありません。

そもそも、まずなぜ手当を出すのか、理由がはっきりしません。
労組の上役からは「資格に伴っていろいろ責任も出てくるので」という説明を一応受けているのですが、それならばライセンスではなくポジションに対して支払われるべき、ということになります。
しかし人事の課長はライセンスを必要としない単なるポジションには出さないと説明をしています。

このへんのベースになる考え方をまずはっきりさせて、労使で合意をしていただかないと、「個別の資格について該当するかどうか」とか、「業務に必要な資格をピックアップしてくれ」とか言われても、基準がはっきりしないことには、私もやりようがありません。

ただ、考え方が割れているというのも、少しわかる気がします。

ライセンスに対して支払うとしたら、ライセンス取得の労力に対する報奨ですから、仮にその人が異動等で関係する業務から外れた場合、対象外にするという説明がつかなくなります。関係する仕事をしていないのに手当が出ることに対しての不公平感もあるでしょう。

ポジションに対して支払うとしたら、こういう公的資格、とりわけ法定資格は、リスク分散のため実際の業務の担当者以外の人にも計画的に取らせるのが通常ですから、ライセンスだけ取らされてポジションに着けない人から不満が出ることになります。

結局どちらの立場に立っても、納得性が低い感じがします。

また、法的にマストな資格に限定しているのも、これは人事施策的にどうかなと思うところがあります。

例えば「特別管理産業廃棄物管理責任者」は、対象の廃棄物が出る限り法的にマストですが、1日講習を受けてその終了試験に合格すれば取れるライセンスです。他方、弁護士は法的にマストな資格ではありません。
「特別管理産業廃棄物管理責任者」だと年間3〜4万円の手当が出て、弁護士に一銭も出ないというのは、やっぱりどうかと思います。

社内で弁護士資格が法的にマストな状況というのは、たしかにそうはないでしょうが、弁護士の法的な専門知識は、業務では直接的・間接的に役に立つことは多いはずです。しかし他方で一日講習で取れるような資格に手当がつくようならなおさら、この状況に納得できる人は少ないでしょう。会社に貢献できる能力・スキルのある人が流出してしまうことになりますから、「人事施策的に」とは、そういう意味です。

結局、私の結論としては、資格手当というのはどうやってもアンフェアになるし、管理上も不合理なので、止めたほうがよいと思います。

それよりも、ライセンス取得の支援をすることと、資格手当ではなく評価に反映させる、評価基準に加えたり、社内ランクに反映させたりしたほうが、業務の状況に合わせた柔軟な運用ができて、アンフェアな部分もいくらか解消でき、人事施策的にも理にかなった対応ができるのではないかと思います。
もちろん、人事評価のトラブルを解決する仕組みがあることが前提になりますけど。

厳しい競争にさらされている会社としては、コストを削減したい、そのためには人件費を抑制したいというのもよくわかるのですが、日本企業がローコストカントリーと勝ち目の無い人件費抑制競争をしても、中長期的には消耗して会社が先細ることになるでしょう。
posted by JUN at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 現場法務日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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