2013年12月14日

【法務系Tips Advent Calendar】行政とのやり取りの記録を残す意味

法務系Tips Advent Calendar 2013の2回目のバトンを、kyoshimineさんから受け取りました。

2つ目のネタは軽めで行こうと思います。
よく知っていて普段から気を付けている方にとっては何でもない、当たり前の話なので、もうここから先は読まなくても大丈夫です(笑)




最近は行政の担当者もけっこう対応が良くて、電話などでわからないことを聞いてみると、自分のわからないことは調べてまで、丁寧に教えてくれます。中にはそんな対応に「行政に聞けばいいや」と頼り切っている方も周囲にいらっしゃるのでは?

行政とよくコミュニケーションをとること自体、大変結構なことなのですが、内容によっては、それで終わっては好ましくないケースもあります。法解釈が絡む話、とりわけ対応にお金がかかる場合や、運用の中でお目こぼしをもらう場合などです。日常の小さな案件でも、コミュニケーションのエビデンスを残しておきたいものです。

これは法律でも、行政手続法に関連規定があります。自治体の多くが制定している行政手続条例にも、おそらく同様の規定があるでしょう。

〇 行政手続法

第三十五条 (行政指導の方式)

1  行政指導に携わる者は、その相手方に対して、当該行政指導の趣旨及び内容並びに責任者を明確に示さなければならない。
2  行政指導が口頭でされた場合において、その相手方から前項に規定する事項を記載した書面の交付を求められたときは、当該行政指導に携わる者は、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならない。
3  前項の規定は、次に掲げる行政指導については、適用しない。
一  相手方に対しその場において完了する行為を求めるもの
二  既に文書(前項の書面を含む。)又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によりその相手方に通知されている事項と同一の内容を求めるもの



「交付しなければならない」という行政機関の義務とはいえ、実際には、正式な書面を出すのは、役所内の煩雑な手続があったりして大変なので、簡単にはやってくれません。

これは実際の事例ですが、電話でしたQ&Aをメールでし直し、それを記録保管しているケースもあります。証拠能力としてどうかという問題はありますが、3項で2項の例外として規定しているケースですので、ひとまずは役所側としても2項違反を回避でき、その逆の解釈として我々としても一定の証拠能力を主張できるのではないかと期待が持てます。(役所の担当者個人ではない)組織のオープンなメールアドレスの場合は、役所側の内規として、やりとりの記録等が義務付けられていると聞いています。

それができない場合でも、日時や担当者も含めたメモを残しておきましょう。ISO14001などのマネジメントシステムでは「外部コミュニケーション」として記録等を要求されている部分です。面倒でもきちんとやっておくと、それが後で大きな意味を持ってくる可能性があります。

行政指導は、不服申し立てをすることはできませんが、国家賠償の対象にはなり得ます。(「公権力の行使」に含まれると解される)

〇 国家賠償法

第一条

国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。


以前、産廃の問題で登場したフジコー事件判決は、廃棄物処理法の解釈においても重要ですが、最終的には行政通達の違法性を根拠に国家賠償を認めるという、行政法的にも注目すべき点があります。

訴訟を煽るつもりは全くありませんが、このこと(行政手続法の行政指導の書面交付と国家賠償法の相関関係)は多くの法務・総務担当の方に知っていただきたいと、切に願います。

そういう訴訟リスクを知ってか知らずか、自分が法律だと言わんばかりに法令にあることないこと強制する、根拠不明の安易な行政指導が多すぎますので、もう少し緊張感を持って慎重に行政指導をしてほしいという意味で、です。

・・・今「そんなことくらい、知っているよ」って思いましたね(笑)
けどおそらく、日常的に実行しているかは???ですよね。

それでは、次はdaichi.tachibana.5さんにバトンをお渡しします。よろしくお願いします。

posted by JUN at 03:11| Comment(0) | TrackBack(0) | └ 行政法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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