コンプライアンス問題と切っても切れないのが、内部告発です。
別に見るつもりはなかったのですが、偶然こんなTV番組が目に入ってしまいました。
不祥事を内部告発した人には国から賞金最大1億円をあげます
このところの不祥事の発覚の多くは内部告発であり、企業について言えば、内部告発者を保護することは、不祥事を防ぐ上で有効な手段と言えます。
しかし、あまり内部告発を軽率にあおるような風潮は、アメリカの二の舞にならないかと、危惧します。
アメリカでは、内部告発を奨励する「ホイッスル・ブローワー法」で、組織内の不正がドンドン暴かれ、正されていくはずでしたが、実際は、内部告発者の多くは組織からはじき出されて職を得ることもできなくなり、不幸な運命を辿っていると聞きます。結局、この法案の推進者でもあった弁護士界だけが、内部告発による訴訟の増加で潤った、なんて「オチ」もついたそうです。
取り違えてはならないのは、「ゴール」はあくまで不正をなくすことにあるのであって、内部告発はその手段に過ぎない、手段を「自己目的化」してはならないということです。
もうひとつ、忘れてはならないのは、いろいろな意味で内部告発はつらい役割です。内部告発によって「正義感」は満たされるかもしれないが、「裏切りの跡」は消えません。もし内部告発者だとわかっていたら、経営者は積極的に雇おうとするでしょうか。全然問題ないと言えば、やはりきれいごとになるでしょう。内部告発者は、そういう十字架を背負って生きていかねばなりません。
ですから、内部告発者は、絶対にばれてはならないのです。本当に必要なことは、内部告発者に一億円あげることではなく、法律で内部告発者の不利な取扱を禁止することでもなく(それは最低限必要な規定ではありますが)、告発者が誰なのかが絶対にわからないような仕組みを作ることです。
内部告発にメリットを与えることではなく、内部告発のデメリットをゼロに近づけること、それによって「誰かが内部告発するかもしれない」という緊張感が生まれて職場に甘えがなくなり、「やはり悪事は隠せない」と、不正が自ら正される組織になるでしょう。それこそが目指す姿であって、内部告発はそれ自体増えたところで、結局は誰も幸福になりはしません。
2007年12月30日
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定期的にこれをやっておくと、本当の内部告発で現場を調査した際に、本当の内部告発がどこから起こったか、バレにくくなります。
コメントありがとうございます。
「定期的に」というのは、大変そうですね。
当社は内部監査部門がたまにいろいろ調べているようですが、あれは経営サイドの指示でやっている調査で、当社の場合は内部告発の窓口が別なので、内部告発であること自体はわかってしまいますし、それをわざわざカモフラージュするためだけに、定期的に調査するだけのリソースを経営サイドに用意させるというのは難しそうです。